「廃材・端材」というツールを子ども達の成長につなげる
久しぶりの出張ワークショップ!「放課後児童デイサービス 月うさぎ」さんにお邪魔してきました。
夏休み中の子供達と一緒に2時間しっかり制作タイム!
はじめにリサイクルと廃材・端材についての説明。子ども達もしっかりと耳を傾けてくれました。次に沢山並んだ廃材・端材の中から好きな物を選んで、子ども達の自由な発想に任せて作品づくりに取り掛かかってもらいます。今回は地域の廃材・端材に加えて、職員さんがペットボトルやプラスチック容器など日常にある楽しめそうなモノを色々準備してくれていました!ありがとうございます。
子ども達の活動風景と素敵な作品をご紹介!
今回用意した廃材の中で、男の子に特に人気があったのが、水引と電子盤でした。一人ひとり自分の作品を作っていても、お互いに影響を受けたり、他の子の作品を見ることで自分にはない発想を吸収していきます。
宝船でしょうか?壺には金銀財宝が詰まっているのかもしれません。
おやおや、こちらでも船らしきものが。ドクロマークの旗が立っているので海賊船でしょうか?
職員さんが子供に「帽子をつけてみたら」とアドバイスをしていました。自分にはない発想を取り入れて、更にそれを発展させていきます。時に子ども達は「これでいいの!」と満足して席を離れてしまうこともあります。この作品を作った子もそうでした。そのうち、廃材のゴムを見つけ、足や手にひっかけて「トレーニング」と遊びだしました。私も思わず「じゃあこんなことも出来るんじゃない?」と遊びに乗っかってみます。すると子どもも違う方法で返してくれます。こんな思わぬコミュニケーションが楽しいのです。
モノと関わる方法は色々あっていい。その子なりの表現から何を読み取るか、周りの大人がどう関わるのかが大事。
最初から作りたいものが決まっていた子も。「エプロン」を作るために、スタッフさんに協力してもらいながら、形にしていきます。女の子の想いが形になるように根気よくサポートしてあげる職員さんの姿が印象的でした。
ボタンって色んなデザインがあってかわいいですね(^^♪いらなくなった洋服のボタンや予備用ボタンなどとっておくといいかもしれません。
細かい職人技!廃材の中の金属パーツから歯車を想い描いたようです。それを段ボールで再現。ちゃんと何枚か重ね合わせて作っているのでリアルさが出ています。
プロセスの中にある子ども達の成長
子ども達の作品いかがだったでしょうか。
作りたいものをイメージして形にしていく子もいれば、切ったり貼ったりするうちにイメージが膨らみ形になっていく子もいます。どんなプロセスであれ、そこにはその子なりの学びがあります。学校で勉強したこと、TVで見たもの、体験したこと、自分の知識や経験をもとに、モノに関わっていくのです。
その中で子ども達が感じること、気づき、イメージしたものが形になり、それが誰かに伝わること、素敵だねって言ってもらえること、共感しあえること、相手の作品も認めること、そんなプロセスの中に、子ども達の成長にとって深い意味があるのだろうと思います。
今は色んなゲームや玩具が市販で売られていて、高価な知育教材も沢山あるのでしょう。でも、子どもの豊かな遊びとは、何の変哲もないモノにも面白さや何か意味を見つけ、繋ぎ合わせ、新しい何かを生み出していくこと何ではないだろうかと思います。そんな「創造力」「応用力」がこれからの社会には必要ではないでしょうか?
今回のワークショップを通して私たちも色んなことを学びました。
私たちの「問」である、地場産業の「廃材・端材」を通して「創造的思考」を育むことは、何につながっていくのか?今後もワークショップを通じて探究していきたいと思います。福山市は「モノづくり」の町であり、きっとまだまだ私たちが見つけられていない素敵な廃材や素材が埋もれているのでしょう。
「モノ」と関わる
「ヒト」と関わる
「マチ」と関わる
学校では学べないことを地域の大人が関わっていく新しい教育の形。「廃材」というツールがそれを可能にしてくれると信じています。
2020年8月26日 4:28 PM カテゴリー: ワークショップ