6月30日にかこ川商店も参加した
「環境月間イベント2024」。
イベント内で特に人気だったのが、
隣接する福山市リサイクル工場の見学です。
大きな工場内の見学ツアー。
それも働く人から直接説明を受けながら
見学できるなんて、滅多にない機会です。
かこ川商店も、今年入社したスタッフと一緒に
ワークショップの合間を縫って、
見学に参加することにしました。
わかりやすさを大切に
まず渡されたのが「見学のしおり」。
見学する場所ごとに
注意して見てほしい部分、考えてほしい部分を
読みやすく、短くまとめられています。
(福山市環境イメージキャラクターの
くわいちゃんもかわいい!)
小さなことですが、
楽しく理解を深めるための工夫。
とても参考になります。
スタッフさんの誘導に従いながら、いざ出発!
計量棟
まずは、リサイクル工場の入り口でもあり、
出口でもある計量棟。
ここには大きな計量台があり、
車ごと計ることができます。
入る時と出る時に計って、
その重さの差から、
持ち込まれたゴミの重さが割り出されます。
プラットホーム
計量のあとは、
このプラットホームと言われるところに
ゴミを下ろします。
このあと、プラスチックごみは、
異物を取り除いてきれいにして、
プラスチックベールと呼ばれる塊にしていきます。
1ベールで 18 kg。
ペットボトル約550本ほどが
ギュッと圧縮されています。
これが一日に約12,000個生成されると聞いて、
見学者もびっくり。
いかに私たちがプラスチックに頼って
暮らしているのかがわかります。
このリサイクルセンターでは、
プラスチックごみと、
不燃(破砕)ごみを受け入れています。
ですが実際に集まるごみの多くは、
燃やせるごみなどの他の素材が
混じっていることがほとんどで、
そうなると、せっかく持ってきたゴミが
リサイクルができなくなってしまいます。
実際にどんなものが混じっているのか?見てみると
使い終わったライターなど、
みんな一度は「これ何ごみだろう?」と
考えたものがあったと思います。
「分からないけど、たぶん大丈夫!」
ではなくて、
迷ったら適切な捨て方を調べるなどして
一人一人が自分の捨てるごみに対して
主体的に考えることが本当に必要だと感じます。
※ちなみに使い済みのライターは、福山市では燃やせる粗大ゴミです。地域によって回収日が違いますので福山市のホームページにてご確認ください。
https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/uploaded/attachment/83835.pdf
https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/kankyo/145020.html
中央制御室
操作ボタンやモニターがたくさんあるこの部屋は、
工場内すべてを管理、監視できる部屋。
ここで工場の機械やクレーンを動かしたりします。
子どもたちも興味津々。
下をのぞくと、眼下にはたくさんのごみ!
高さ8mもある場所から
不燃(破砕)ごみの山が見えます。
ごみの山の高さ1mあたり、
40tのゴミが溜まっているそうです。
この中から、
まだ利用できる鉄やアルミを見つけて
それを機械で細かくし、分別をして再利用します。
職員さんがお話をしてくださいました。
「一番困っていることは、火災です。」
福山市では最近、ゴミ収集車の火災が起きました。
「不燃(破砕)ごみ」に混ざっていた
リチウムイオン電池が原因です。
https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/kankyo/329749.html
リチウム電池は、「燃やせる粗大ごみ」です。
スプレー缶、リチウム電池、ライター・・
ごみの出し方を一歩間違えれば
火災が起きる恐ろしいもので、
注意が必要です。
それぞれのごみの分類、正しい捨て方、地域による回収日など
市のホームページをしっかりチェックしていきましょう。
最後は人の手で分別
最後は、手選別の部屋です。
部屋に入ると、ごみの匂いがキツく、
子どもたちの中には思わず
鼻をつまんでしまう子もいました。
それまでは施設を廻りながら、
遠目からごみを見ていた私たちですが、
突然、大変な現場を
突きつけられたような瞬間でした。
職員さんは、素直な子どもたちの反応に
笑顔で迎え入れながら、
話し始めるとピリッとして、
ここでの作業の流れをお伝えしてくれました。
ここは、この施設に来るごみが
最終的に流れてくる場所で、
職員さんは分厚いゴム手袋をしながら
次々と流れ込んでくるごみを、
破れていない袋を手作業で破り、素早く、
選別を行います。
「この仕事は常に、危険と隣り合わせです。」
ごみの中には使用済みの注射器の針、
刃物など、何が混ざっているか予測できない
怖さがあります。
実際に流れてくるゴミを、
丁寧に説明してくださいました。
汚れがひどいものは、
せっかくリサイクルできる素材でも、
リサイクルができないこと。
よく見るとパーツで分別が違うもの。
ライターやスプレー缶、電池など、
火災や怪我の恐れがあるごみの正しい捨て方。
現場で働く人だからこそ、
改善してほしいこと、
私たちがやらなければいけないことを
たくさん教えていただきました。
ここで働くみなさんは、
分別の間違いを秒単位で感じながらも
見学に来る私たち一人ひとりの記憶に残るように、
丁寧に、気持ちを込めて、
説明をしてくださいました。
今回の見学で一番、心に残った場所でした。
最後に
今回本当に良かったのは、
実際に働いてる方と対面して、生の声で、
思いを聞けたことです。
ごみを捨てるとき、私たちは
「捨てたら終わり」と思います。
その先に、どんな場所で、
どんな人がどんな作業をしているか、
なんて考えることはあまりありません。
でも今回の経験で
ごみを捨てるときに、お話してくれた方の顔が、
ふと頭をよぎるようになりました。
一緒にツアーを回った皆さんも
きっとそうだと思います。
まずは自分たちから変わること。
「ごみを正しく分別して出す」ということは
自分の心地よい生活を送るのに
必要な習慣になることが
根本的に大事だなと思いました。
最後に
この度の見学ツアーで
忙しい業務のなか、
わかりやすく丁寧に教えていただいた職員の皆様、
本当にありがとうございました。
かこ川商店でも会社の見学などで来ていただく方に
心に残る、行動が変わるきっかけになるような
そんな時間を過ごしていただきたい。
引き続きがんばっていきます!
※このブログではなかなか伝えきれないところも
たくさんあるので
これを読んで下さった方には、
見学ツアーをお勧めします!